排卵誘発剤の副作用
2016年08月21日
排卵誘発剤とは
排卵誘発剤は、 卵胞を育てる作用と排卵を促す作用があります。
主に飲み薬と注射の2種類があります。
それぞれの特徴はありますが、おおむね効果としては、
卵胞が排卵に必要な大きさにまで育たない人や排卵しにくい人に処方されます。
排卵誘発剤はまた、黄体期の不全の方にも処方されます。
その理由は卵巣の働きを整えることで、
排卵があっても低温期が長い人、高温期が短い人など
性周期に問題がある方に効果があるとされています。
排卵誘発剤の副作用
しかしその副作用としては
① 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
② 頸管粘液(おりもの)の減少
③子宮内膜が薄くなる
④多胎の確率が上がる
⑤薬の効果の減少
などが挙げられます。
① 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは
排卵誘発剤は人によって感受性が違います。
人によっては卵巣が過剰に刺激されることで
さまざまな症状を出します。特にHMG注射による治療ではおこりやすくなります。
卵巣の腫れ、お腹の張りや腹水、
中には胸水が溜まる、息が苦しくなるなどです。
症状が軽い場合は安静をとります。重症になると入院して治療が必要になります。
通常、卵巣過剰刺激症候群はクロミッドなどの内服薬で起きることは稀です。
② 頸管粘液(おりもの)の減少
排卵誘発剤でよく使用されるお薬にクロミッドがあります。
このクロミッドには続けて内服することで頸管粘液(おりもの)の減少します。
頸管粘液(おりもの)には精子が進入しやすい環境を作る働きがあるので、
極端に頸管粘液の減少が見られるときはいったんお薬を休む、
他のエストロゲン製剤と併用を考慮するなどの対策が良いと思われます。
③子宮内膜が薄くなる
排卵誘発剤で子宮頸管粘液の減少がみられることとともに
子宮内膜が薄くなることが知られています。
不妊治療として処方される薬の副作用が子宮内膜を薄くしてしまうとは
なんとも言えないですね。
こちらも長期間服用する際などは、いったんお薬を休むのがいいでしょう。